“高将 にぐん” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:高将 にぐん (15 件 / 2 ページ)

ハルカせんせいと絵本の中の王子

 

『王子様は約束しました。1000日の間に必ず運命の相手を見つけると。』幼稚園教諭の晴夏が大学時代に課題で作った絵本は、未完成のまま実家の納戸の中…だったはずが!絵本の中の王子が見つけた運命の相手は晴夏だった!煌めく薔薇のような笑顔で、自分を創り出した晴夏へ愛を紡ぐ王子。しかし、晴夏が王子のために完成させた絵本の結末に、王子は傷付き、さよならを告げ―。(「BOOK」データベースより)

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白 馬 で 来 た(攻が)

 うまくいかなかった合コンの帰り道、幼稚園の先生をしている晴夏の前に現れたのは、文字通り白馬に乗った王子様だった。歯の浮く台詞の数々に最初はただただ困惑していたが、彼の正体がかつて晴夏が大学の課題で制作し、未完のままとなっていた子供向け絵本の主人公であると気づいて……。

 王子の歯の浮くような言葉の数々に爆笑していたら最後はきっちり泣かせる展開にもっていくのがズルい!中盤のアクシデントからはじまる展開で一山越えたかとおもったら、絵本の結末に関してでまた一波あって。最初はただ迷惑していたのに、人懐こくて良い人な王子に段々愛着がわいて、そのうちかけがえのない大切な相手になっていく課程にニヤニヤが止まらなかった。

 性格は男前なんだけど「いっそ王子に迎えに来て欲しい」なんてボヤきだしちゃうハルカ先生の行動がほんとかわいかった。そして、王子にはちゃんとした「お姫様」と幸せになってほしいと嘯くハルカ先生にきっちり気持ちを自覚させちゃう王子、ズルい。本人も言っている通り、決して綺麗なだけの純粋王子ではないところがよかった。

 カラー挿絵が女装受だったのでどうなるのかとおもっていたら最後の展開で爆笑。(女装が)似合わないからこそかわいいんだ!と言い切る王子とは美味しい酒が飲めそうです。あと、女装エロは脱がせちゃだめなので!!!素敵な挿絵ごちそうさまでした!!

 …それにしても、サブキャラだった晴夏の通う幼稚園のおませな園児・蓮君とシルキーの出番がもうちょっとみたい。もういっそこの2人で番外編とかありませんか。蓮君は良い年下攻(属性そのままで実際は男前受だとなお美味しい)になれるとおもうんですがどうですか。


1、2の3で恋をする

 

強引マイペースな天才科学者・猫実と、平凡なサラリーマンのサトシは高校時代からの腐れ縁。そんな友人を前に、サトシが乙女みたいにドキドキと恋に落ちていく理由は、猫実が開発した惚れ薬を飲まされたから。実験体として一緒にいるうち、お互いに見たことない相手の一面を知っていき、友人だった関係が変化していく。そんな時、副作用でサトシの恋心が急激に変化してしまい―。 (「BOOK」データベースより)

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 高校時代の親友・猫実が開発している惚れ薬の被検体になってしまったサトシ。薬のせいだとわかっていても同性である猫実をみると胸のトキメキがとまらなくて……というお話。

 薬によって作られた気持ちだったり相手が同性であることへの葛藤が、猫実と過ごし、彼に振り回されるうちに少しずつあくまで猫実にとっては惚れ薬の「実験」でしかないだろうとか、いつか実験が終わって薬の効果が切れてしまう事、この気持ちが変わってしまうことへの漠然とした不安へと変わっていくのがみてとれてとてもニヤニヤする!経過観察という名目で頭は良いけど常識や生活能力面で色々お察しな猫実の世話をしながら、)サトシ自身は一方通行だとばかりおもっているけど)完全にイチャイチャバカップル化してるのが可愛くて仕方なかった。

 しかし、このまま薬の効果が切れて晴れて本当の「両想い」になって終わるのかなあとおもっていたら、薬が切れてからの展開が凄かった。ただ恋愛の良いところだけを美味しく戴いていたような状態、幸せ絶頂から突然突き落とされて、自分の気持ちの急激な変化に戸惑うサトシと、サトシを苦しめるくらいなら…と自ら身を引こうとする猫実がすれ違っていく姿が辛かった。直前までの2人が本当に幸せそうだっただけに、よけいに。

 しかし、副作用で…といっても、その期間に育ってしまった恋心は分かりやすいくらいにしっかりと間に根付いていて。副作用が引き起こした生理反応をも超えて再び結ばれた二人の姿に胸が熱くなりました。面白かった!


マジカル少女系男子

 

一見、どこにでもいる普通の高校生の悠馬のバイトは、ちっとも普通ではない。なんと、魔法少女「メリー・メアリー」に変身して、街の平和を守るのが仕事なのだ。高校に通いながら自称・悪の帝王「ツリー・ベル」と戦う悠馬は、昼ご飯を食べるために入った中華料理店でサラリーマンと相席になった。そのサラリーマンは、瞳も髪の色も違うけれど、ツリー・ベルにそっくりで―。 (「BOOK」データベースより)

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これは良いフトモモパンチラ(※だが男だ)

 中身も大変美味しかったんですが、短いスカートからにょきっと生える男らしい太ももがたまりませんでした。女の子のような足でなくて、ある程度筋肉のついてる太ももがまらん。そして執拗にチラリズムを発揮するボクサーパンツ!!表紙でパンチラしてないのはきっと何かのトラップだとおもいます。

 ややヘタレ気味の残念Sな自称悪の帝王系サラリーマン×男前女装魔法少女系男子高校生。魔法少女の姿の時の最大のライバル「ツリーベル」と偶然平時に邂逅し、彼なりの事情や人柄が見えてきて戦うのを躊躇ったり、葛藤してしまうのが大変美味しい。割と登場人物の殆どが主人公にホレてる系の、いわゆる総受けハーレム的なお話だったんですが主人公が自分の恋心を自覚しはじめると紳士らしく身を引いて背中を押してくれるかませ犬の面々がとてもかっこよかったです。しかし、これだけかませ犬要員がいるならもうちょっと主人公を取り合って荒れてもよかったのになあとか思わなくも無いけど。特に同級生男子とかもうちょっと活躍すればいいとおもいました。

 あとがきで『ラノベでいえばセカイ系』という表現があったけど、一発物のBLというには惜しい位に色々世界観設定がありそうで、その辺が恐らくBL的には大事な部分ではないので……という感じで惜しげもなくカットされてたのが残念でした。魔法少女バイトが主人公の所属する組織だけでも30人いるとか、魔法の大系とかもちゃんと設定あるっぽいんだけどなあ……個人的には同世界観でのスピンオフか、主人公が魔法少女として働き始める事になった頃の前日譚とか凄く見たかった気がします。

 っていうかどうして龍司さんの魔法少女姿の挿絵が無いんですか(真顔)


恋するしっぽ

 

垂れ目に八重歯、気弱に下がる太い眉。女の子にモテる要素ゼロの俊太の仕事は、遊園地の着ぐるみ―ピンクの子豚のベリ子に入ることだ。園内のヒーローショーに出演する俳優、響と知り合った俊太は、ベリ子に入っているのが誰かを聞かれてしまう。ベリ子が客に親切にしているところを見た響は、中身が優しい女の子だと思っているらしい。俊太は本当のことを言えなくて…。 (「BOOK」データベースより)

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 自分の容姿にコンプレックスを持つ俊太は遊園地でピンクの豚の着ぐるみ・ベリ子を着て風船をくばる仕事をしていた。ある日、ヒーローショーに出演する人気新人俳優・響とひょんなことから知り合いになり、彼にベリ子の中身が誰かと問われるけど……というお話。

 最初から微妙にそんな香りがしていたけど、攻がイケメンと見せかけたへんたい紳士だった。「お試し期間」の間にもピンクのブタを集めてるっぽい雰囲気を覗かせたり、仕事仲間と打ち解ける主人公にヤキモチ全開だったりとこう色々アレなんですが晴れて両想いになったあとのデレデレ具合が酷い。本当に酷い。自宅訪問の時に二階を片付けに行ったのは間違いなくそのまま通したら覚悟しててもドン引きできるようなブタグッズと俊太にまみれた部屋だったに違いないと思ってうっかり事故で俊太が部屋に踏み込む展開がなくて本当に残念。

 着ぐるみの正体をバラせなくて云々〜な展開はどちらかというと短めで、あとはどちらかというと容姿にコンプレックスを持つ受とイケメン攻がもう完全に両想いじゃねえか!!ってなりつつももどかしく残念な感じでいちゃいちゃするお話で、大変楽しかったです。


鬼に嫁げば

 
香林

村一番の美人を、山で暮らす鬼の花嫁として差し出すよう要求された村人たちは、旅の途中の剣士である紅葉に、花嫁の代わりとして鬼のもとへ行き、その鬼を殺してほしいと頼む。鬼のせいで忌まわしい過去のある紅葉は、村人の依頼をふたつ返事で引き受けた。純白の花嫁衣装に身を包み、シンと名乗る鬼のもとへ嫁いだ紅葉だが、なかなか相手を殺せなくて―。 (「BOOK」データベースより)

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 旅の途中立ち寄った村で、鬼退治を依頼された紅葉。魔を祓う懐剣を持って鬼に差し出される花嫁の身代わりとして鬼の棲む村に入り込んだ紅葉だったが何故か相手を殺すことが出来なくて……というお話。なつかしの「日本むかしば●し」風民話BL。あとがきの「ドラマCD化するときは、ナレーションは市原悦子でお願いします」で盛大にふいた。

 とある事情から親の仇として鬼を憎んでいた紅葉だけど、鬼の村はびっくりするほど暖かく、そして“夫”として宛がわれたシンは凄くいいやつで……とどんどん復讐心を削り取られていき、同時にシンと自分が同性であることや身代わりになった少女の事を考えると真実を言い出すこともできず…と板ばさみになっていく姿が印象的でした。“嫁”の紅葉が一人でうんうん唸ってるのにその横で全然気づいてなくて嫁自慢をしたり紅葉となかなか致せない事を残念がるシンの能天気な天然っぷりも美味しい。

 “民話風”という雰囲気のせいかBLとしてはどこかまっすぐすぎて物足りないというか、正体バレとか村での話とかもう一波乱あったほうが好みだなあとは思うのですが、攻も受もどちらもとても可愛いお話でした。


猫耳パイレーツ

 

『星の魚』という砂漠の国の宝を盗み、王家の呪いを受けた海賊団。なんとその呪いは、猫の耳としっぽが生えてしまうというものだった!盗賊のリカルドは『星の魚』を奪うために、呪われた海賊団に入団希望する。入団の条件は、船員の一人と戦うこと。自分よりずっと小さなキジと戦って、相手に気に入られてしまい…。リカルドはおかしな海賊団で、お宝を手にできるのか。 (「BOOK」データベースより)

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 宝を狙って海賊船に乗船した盗賊のリカルド。その盗賊団はリカルドが盗もうとしていた宝『星の魚』の呪いを受け、全員が猫耳になっていた。海賊団の中でもひときわ若い少年・キジに気に入られてしまったリカルドだが……というお話。

 リカルド×キジかとおもってたらキジが攻でした予想外だった!でも多分初期の出会いの頃はリカルド×キジで途中で攻受逆転してる系だよね。小さいながらも男前なキジに告白され、振り回されながら段々そんなキジに惹かれていくリカルドの姿が可愛い。そして星の魚とキジに隠された秘密が明らかになり、二人が両想いになったあとはすっかり小動物系から俺様言葉責め系王子様攻にクラスチェンジしたキジがリカルドを振り回す姿にニヤニヤが止まらない!

 メインはリカルドとキジのもどかしい関係なんだけど同時に海賊モノとしても凄く面白くて、リカルドが海賊団に馴染んでいく過程とか、色々な事を見透かしたようなお頭とのやりとりとかも大変楽しかったです。


猫耳サラリーマン

 

webデザイナーの卵、星二がたまたま拾った小瓶から現れたのは、揺れるしっぽと黒い大きな猫耳を持つ魔法使い。しかもそれはバイト先のデキる上司小津だった!サラリーマンは仮の姿だという小津は、願いをみっつ叶えてやると星二に宣言し、さらには精気を吸わせろと迫る。最初は困惑する星二だったが、次第に小津の猫耳&しっぽのかわいさにハマってきて!?ラブリーHな猫耳ファンタジー登場。 (「BOOK」データベースより)

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 変な小瓶を開けたらバイト先の上司・小津が猫耳姿で「願い事を3つ叶える」といいだした。実は小津は魔法使い見習いで、一人前になるには3つの願い事を叶えなければいけないらしい。しかも魔法を使うと出てくる猫耳を引っ込めるには人間の精気が必要だ、といわれて…!?というお話。

 会社ではイケメンで厳格な典型的な「デキる男」である小津が猫耳を生やし、うさんくさい魔法を使い、しかも習性はどうしようもなく猫系というこのギャップがたまらなくおかし可愛い!!段々子供っぽい本性をむき出しにしていく小津の残念な大人っぷりに惚れざるをえませんでした。見た目的にはは結構しっかりとした大人と子供カップルだというのに、どっちが受だかわかりゃしないというか、すごく、ほもゆりです……。これ、付き合い始めてもうちょっとしたらそのうち本気で受攻逆転展開ありそうだな。

 女の子を間に入れたすれ違い展開あり、「お願い事を全部叶えたら一緒に居られなくなってしまう」的な葛藤もありでお約束の展開を踏襲しながらも少しずつラブラブになっていく二人のすがたが大変微笑ましかったです。


キミログ

 

どこにでもいそうな中学二年生の高垣睦は、寝る前にインターネットに繋ぐことが日課になっていた。ある日、睦は同じクラスで近寄りがたい優等生の曽原淳が開設しているブログを偶然発見する。が、そこに書かれている文体は、普段の曽原とは全然ちがう弾けた文体で、秘かに好きな人がいるなんてことも告白していた。が、その「好きな人」の符号がなんだか睦と合致するような気がして!?第58回花丸新人賞受賞作に書下ろしを追加した、純愛電波恋物語。 (「BOOK」データベースより)

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 偶然、同級生男子のやってるブログを発見したと思ったら、そいつが普段の落ち着いた優等生のイメージとはかけ離れたテンションの高さで猛烈に俺の事を語っていた。何を言っているかわからないとおもうが俺も何を言っているかry ←あらすじ

 「放課後カタオモイ」と同じノリのお話だよと聞いて手に取ったんだけどこっちも負けず劣らず可愛い両片想いバカップルだった!!まさか恋してる当人に見られてるとも知らず、主人公に声を掛けられれば舞い上がってテンションのおかしい日記を書き、主人公が同級生女子と良い感じになってるのを見ればこの世の終わりのように凹んだ日記を書き……という曽原が微笑ましすぎて常にニヤニヤが止まらないんだけど、リアルで会うとそんな感情も押し隠して平然とイケメン優等生の皮を被ってるギャップがまたおかしくてたまらない。この場面でこいつの内面どうなってたんだと考えるとニヤニヤし、その後ブログで正解を見てニヤニヤし……の連続だった。頬が緩みすぎてヤバい。

 普段はそんなそぶりを一切見せない曽原の「素」の気持ちを散々ブログを通して間接的にぶつけられて、最初は理解できなかったり画面の向こうでツッコミ入れたりしながら、どんどん曽原から目が話せなくなってしまう睦の姿にまたニヤニヤ。気持ちを伝えても迷惑になるだけ……と睦への気持ちを諦めようとした曽原の姿に、我慢できずに自ら動き出す睦の男前っぷりがまた美味しくて!!見た目可愛かったりイチゴ味大好きだったりと外面は可愛らしいクセに男前すぎるよ、睦!!

 ところで、ずっと曽原は片想いの相手が同性であることをひた隠しにしているわけですが、よく見ると一回致命的に相手が同性だとわかる書き込みがあるよね?ぶっちゃけ、もう昔から読んでる読者は相手が同性だとわかってるんじゃないだろうか。いや、っていうか最後の展開だとバレバレなのか。もうエピローグ後はネット上で思う存分相互リンクしてバカップル具合を発信したらいいとおもうんですがどうですか!駄目ですか!

 「放課後カタオモイ」と同じくこちらも明確な性描写がなかったのでどっちが上かは確定してないんだけど、これ絶対本格的に致すことになったら曽原が遠慮しまくって逆ギレした睦が自ら……なパターンだと思いませんか?そんな展開が!!すごく!!見たいです!!曽原が上でも睦が上でもいいです。


放課後カタオモイ

 

「お前の描いた女の子が好きなんだ!」オタクで目立たない順に声をかけてきたのは、クラスで人気の丹羽くんだった!サッカー部で爽やかで皆に好かれてて…。自分とは正反対の人種だと壁を作っていた順だが、ごく自然に仲良くしてくれる丹羽くんに気持ちが解れていく。しかし、近付くほど、彼が好きなのは自分ではないと気付かされて―。もどかしい程まっすぐでじれったい恋。 (「BOOK」データベースより)

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 クラスでも目立たないオタクの順にマンガなど殆ど読まないイケメンサッカー少年の丹羽が声を掛けてきた。漫画研究部の部誌に載せた順のイラストに一目惚れしたという彼の言動に最初は戸惑っていたが、段々と丹羽が好きなのが「自分の描いたイラスト」だということにモヤモヤしはじめて……というお話。以前読んだことある作者さんということで手に取ったのですが、同じくらいに表紙のデザインやイラストがツボでやばかった。自発的にBLを衝動買いしたのは本当に久しぶりでした(これまでのラインナップは大体誰かに薦められて手に取ったものだったので)。

 序盤から既に出来上がってるじゃないですかー!という感じの二人が自分の気持ちを自覚しないでモヤモヤしたり、「男同士なのに…」って思ってもだもだしたり、お互いに勘違いを繰り広げてもだもだして中々両想いにならないこのもどかしさが可愛くてもうたまらない。なんかお互いがすれ違ってても全然心配にならなくて、ひたすら「お前らかわいいなー!!」って気持ちになる。むしろもっとやれという気持ちになる。これは良いほもゆり。

 ひたすらほのぼのと可愛いお話でこれにエロは蛇足じゃないかなあと思ったんだけど、本番前くらいで終ってるあたりがまた美味しかった。というかこれはもう逆でもいいなー。わんこ系で押せ押せに見えるけど大事な所で押しが弱い丹羽に対して、恋心を自覚した後もそれはそれこれはこれで漫画家になるという夢に向かって一生懸命な順が案外男前で。丹羽が順に惚れたきっかけのエピソードの(丹羽視点からの)順が(一応)受(のはず)なのになんだかかっこよくてニヤニヤする。

 個人的に、あとがきに書かれていた社会人エピソードがツボすぎるので是非ともそのネタで続編を書いて欲しいです。今度は最後までアリで。わんこ可愛かった丹羽君の成長エピソードが見たいです!!

 あと、その際は当て馬可哀想だった斎藤さんの救済を是非……BLだからこういう展開になるのはわかってたけどツンデレ可愛かったのに結局ふたりが両想いになるためのダシに使われた感がすごく…!!


魔女っ子サラリーマン

[著]高将 にぐん [絵]さらちよみ

ある日突然、父親から少女趣味全開な魔女っ子ステッキを手渡された普通のサラリーマン・津島弘文。どうやら死んだ母親はホンモノの魔法少女で、その力が弘文に受け継がれちゃったらしい!?しかも取引先の社長・江南誠が、変身した“彼女”に一目ぼれしたといい出す。魔法少女を辞めるには処女(処男?)を喪失するしかないのだが…
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いい年したサラリーマンが、なぜか魔法少女に変身しちゃって……というリーマンモノのBL。…魔法少女なのにリーマンジャンルなんだ!?とかおとまh……なんて思っちゃ駄目だ!!飛び出すカラーピンナップもついてるよ!!!タイトルを見て先月の「猫耳父さん」的色物を想像しましたが、TSなので主人公普通に可愛かったよ。残念です

飛び出すピンナップといいタイトルといい、色物臭しかしないこの作品ですが、読んでみたら意外過ぎるほど正統派(?)なラブコメでした。変身後の弘文(=るりか)に一目ぼれしたという江南とデートしたりしていくうちに、ヒラ社員と取引先の社長というだけの関係の時には見えてこなかった意外な一面が見えてきて、でもその笑顔を向けているのは“本当の自分”じゃなくて…というのはTSものの王道展開ですね!多分!(あんまりそのテのものはBLじゃなくても読まないけど)

そして、るりかの“ガーディアン”(=マスコット)としてパンダに変身してしまう従兄弟のトーヤが実にいいキャラだった。元々主人公の事が好きで、弘文が魔法少女を継いでからは「魔法少女を引退させるために」と言って処男を狙ってくる彼が、なんだかんだと江南との仲を取り持ってあげちゃうという展開がとても好きだー。そして割合ノリノリに魔法少女やってるらしいトーヤくんの今後がとても気になりますw

TSとはいえ二人の関係の障害として異性が登場してくるせいか、BL小説を読んだ時に毎回感じる独特のファンタジー感覚(というかないない感)も薄く、すんなり「ああ、この二人は本当にお互いが好きなんだなあ」と世界観に没入できたかも。軽いノリで楽しく読めました。

…唯一、個人的に行為のシーンでいきなり、弘文の一人称で展開されていた地文での江南の呼び方が「」になったのは凄い違和感だった。それまで本当にBL小説を読んでいる時特有の違和感薄い作品だったので、特にかも。…え、いや普通、男→男の呼び方で「彼」とか言わないよね…?たいしたことではないんだけど、そこだけが物凄い引っかかった…。

しかし付録の「飛び出すピンナップ」は…どうなんですか実際BL読みの人的に……正直、読む時にすごい邪魔だったんですけど…